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園田がピンクに染まった日

園田競馬場の名物レース・ゴールデンジョッキーカップ。
通算2000勝以上を挙げた凄腕ジョッキーたちがしのぎを削るドリームレース。

ゴールデンジョッキーカップ(略してGJC)には、園田・姫路で実況ひとすじ54年の吉田勝彦アナウンサーによる騎手紹介が欠かせない。
吉田アナウンサーが西川敏弘騎手のことを語り終えた瞬間、スタンドから力強い雄叫びが飛んだ。
「にしがわー!」「がんばれー!」
野太い声援を受けた西川騎手は少し照れくさそうな、すごく嬉しそうな笑顔を浮かべた。

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集合写真の撮影が終わると、名手たちの表情がキリッと引き締まって、勝負師モードに切り替わる。
初出場の西川騎手は、なんだか少し緊張しているように見えた。ところが・・・。

1戦目のファイティングジョッキー賞は、GJC史上に残る大混戦となった。
ゴールまで残り100mを切ったというのに、5~6頭が横並び状態で競り合っていて、どの人馬が1着を獲るのかまったくわからない。
これが名手の戦いというものか! 鳥肌が立った。
そのときだった。
外から脚を伸ばした西川敏弘騎手&ミユキオカメが、内の人馬をまとめて交わして、先頭でゴールを駆け抜けたのである!

ファイル 132-2.jpg

西川騎手は後方でレースを進めた。

「内で包まれて脚を余したくなかったので、前の馬との間隔をとってレースを進めました。『徐々に外に出していこう』と。4コーナーでは他の馬の脚色が思いのほか悪かったので、『行けるかな?』と思いました」

冷静な騎乗で鮮やかな差し切り勝ちを果たしたGJC1年生は、「今回はくじ運がいいみたい!」と言って、あわただしく2戦目に向かった。

2戦目のエキサイティングジョッキー賞を制したのは、これまたピンクの勝負服!
さすらいの内田利雄騎手&ツルマルメジャーだった。

ファイル 132-3.jpg

そして西川騎手&テクノシュウホウは、なんと小牧太騎手&アクアレイジアと「同着」の3着。
本来は3着に入ると13ポイントが加算されるのだが、同着のため12ポイントに。
2戦目が終わった時点での順位は・・・。

1位 西川敏弘 32ポイント
2位 内田利雄 30ポイント
3位 岩田康誠 23ポイント
4位 山口勲  18ポイント
5位 菅原勲  17ポイント

西川敏弘騎手がトップで、内田利雄騎手が2位。
その差はわずか2ポイント。

夢のダブルピンクが優勝を争っているという夢のような展開に激しくときめきながら、諸事情により、私は伊丹空港に向かった。

そして。
羽田空港で、ラストのチャンピオンジョッキー賞の結果を知った。

1着 シンボリピレネー  川原正一
2着 トサノデザート   岩田康誠
3着 スマイリングフィル 内田利雄
4着 トウショウサウンド 西川敏弘

わっ、内田騎手か西川騎手が優勝じゃないの?
総合順位は?
総合獲得ポイントは!?
あわてて足し算をすると、信じられない答えが出た。

西川敏弘 43ポイント
内田利雄 43ポイント

なんとなんと、ダブルピンクが同点!
しかし。しかし・・・。
「総合ポイントが同点の場合、チャンピオンジョッキー賞の着順が上位の騎手を、総合順位の上位とする」という規定があって――。

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(写真提供:兵庫県競馬組合)

優勝 内田利雄 43ポイント
2位 西川敏弘 43ポイント
3位 岩田康誠 38ポイント

第17回ゴールデンジョッキーカップ。
さすらいのミスターピンクが、3度目の総合優勝を果たした。
初出場の西川騎手は、惜しくも惜しくも総合2位。
うう、ダブル優勝にしてくれ~。
内田騎手も5年前のGJCで「同点2位」の悔しさを味わっていて、「『ふたりとも優勝でいいじゃん!』と思いましたよ~」って言ってたっけ・・・。
なんてことを思いながらパソコンを開き、チャンピオンジョッキー賞のVTRを見た。
地方競馬インターネット中継(兵庫・園田)

内田利雄VS西川敏弘の攻防を見て、涙が出た。
1戦目のファイティングジョッキー賞も、2戦目のエキサイティングジョッキー賞も、何度も繰り返し見返した。
本当に素晴らしいレースだった。

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先月、福山競馬場でダブルピンクの写真を撮らせてもらったとき、西川騎手はこんなことを言っていた。

「こっちはニセピンク(笑)」

そんなことないです。どっちも本物です。
ダブルピンクは最強だ。
そして次回は、高知のピンクが優勝するのだ!

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