高知競馬第15回開催は12月31日大晦日から、明けて1月4日までの5日連続という日程で行われる。いよいよ年末年始の風物詩ともなったグランプリ高知県知事賞・南国王冠高知市長賞の2大レースがゲートインを待つばかりである。今回はこの2大グランプリレースに焦点を絞ってご紹介していく。
まずはサラブレッドのグランプリ、第32回高知県知事賞(12月31日)だ。出走予定馬は29日土曜日現在で
ジョイフライト 57 牡 4
エイシンドーサン 57 牡 7
マッケンリーダー 57 牡 8
マイネルキャラバン 57 牡 6
ウォーターダグ 57 牡 6
イブキブラックマン 57 牡 7
ライジングハント 57 牡 7
オオギリセイコー 57 牡 4
ゼスト 57 牡 9
ワカショウグン 57 せ 7
グリーンヘラクレス 57 牡 4
ビッグチェイサー 57 牡 4
という12頭。ホウエイパーシャ、ジョーオーラが回避してゼストとビッグチェイサーが繰り上がり出走となった。
過去5年で振り返ってみると
回数 1着馬(騎手)勝ち馬戦法
2着馬
27 パープルマジック(鷹野)スローから瞬発力勝負
クロスオーシャン
28 マルカイッキュウ(鷹野)ロングスパートでレコードV
スーパープレイ
29 マルカイッキュウ(鷹野)ロングスパートで完勝
リバーセキトバ
30 ウォーターダグ (西川)好位から競り合い制す
ミストフェリーズ
31 ダイタクカミカゼ(鷹野)人気薄も早め仕掛けて圧勝
ビッグチェイサー
とまずは鷹野宏史騎手の勝ちように声も出ないが、このレースの勝ち方を良く知っているという事にほかならないだろう。他に花本正三騎手もこのレースの連対率が高い。ちなみに現役騎手だと勝利があるのが鷹野宏史6勝、西川敏弘2勝、徳留康豊・今村賢治・西内忍・花本正三の各1勝だ。北野真弘・中越豊光の2人は未勝利で、この辺りも見所となろうか。
今回の最大の注目馬は重賞・珊瑚冠賞も含めて高知移籍後4戦4勝というエイシンドーサン。4戦全てが後方からの差し切りだが、これは単なる追い込み馬とは違う。自力で動いて更に脚色の残る先行馬を捉えきってしまう能力にはこれまでの勝ち馬ともタイプの異なった凄みを感じる。前を行く各馬は常にこの馬の動向を気にしながらの競馬を強いられるだろう。唯一の不安と言えば単純に父マウントリヴァーモアがスプリンターだった事くらいだろうか。
ウォーターダグがこのレースを勝ったのは2年前。昨年は苦しい展開ともなって伸びきれずビッグチェイサーの強襲にあって2着さえ確保できなかった。若干適距離が短いほうへシフトした感もあるが、二十四万石賞を完勝しているだけに底力に敬意を。
マイネルキャラバンは鞍上の意のままに動けるという最大の武器を生かして戦いたい。先行力、決め手ともに水準以上ながら、逆にもうワンパンチ欠ける所がある現状だが、そこは展開を利してのレース巧者ぶりに期待したいところ。
雑賀秀介厩舎からは3頭が出走。マッケンリーダーの好調ぶりも目に付くが、ここはやはりファン投票第1位・オオギリセイコーの出番だろう。昨年も好走しているし、長丁場で持ち前のバテない強みが生きる。フォトパドックで見ていただきたいが体調も抜群。
後は絞れた場合のライジングハントと展開が向いた場合のビッグチェイサーを穴っぽいところとして挙げておこうか。
そのフォトパドックはこちらのアドレスだ。
http://www.keiba.or.jp/event2001/photo_padok/padok_topf.html
(注)公開は終了しています
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さて代わっては2002年の元旦を彩るアラブのグランプリ、南
国王冠・高知市長賞だ。今年の出走メンバーはこちらの通り。
スマノガッサン 57 牡 8
ノースガバナー 57 牡 5
アローパッション 57 牡 6
サンユウラピート 57 牡 5
アポロファースト 57 牡 6
チーチーキング 57 牡 4
カイヨウワールド 57 牡 4
スマノタカラ 57 牡 8
デルタフォース 57 牡 10
ウェストウイン 57 牡 8
パワーレイク 57 牡 5
オンリーカード 55 牝 5
サンエイヒリュウの回避で両グランプリレースでの紅一点、オンリーカードが繰り上がる事になった。牝馬が優勝すれば1977年のチヨヒデ以来だから25年ぶりとなるが果たして。先にアポロスイセイの回避でアローパッションが繰り上がってこちらも補欠から2頭が出走する事になった。
回数 1着馬(騎手)勝ち馬戦法
2着馬
24 バイタルサイン(明神)後方直線一気
ハッコウマーチ
25 デルタフォース(川添)早め中団から伸びる
フトーイチヒメ
26 ネオウインストーン(田中守)先行押し切り
サンエイヒリュウ
27 チュウオーロッサ(徳留)好位抜け出し
デルタフォース
28 デルタフォース(中西)後方伸びる
アポロスイセイ
5年で3度の連対というデルタフォースが今年も出走。しかし今年の人気は同厩舎のスマノガッサンに集まりそうだ。高知移籍後では最も充実した内容で5連勝をマーク。要はその切れ味をどう発揮するか、昨年のようになし崩しに脚を使わされないかという部分がポイントなるだろう。
雑賀秀介厩舎もう1頭の刺客はノースガバナー。ロングスパートという長距離戦向きの戦法を使えそうなタイプだ。ただしこれまで経験した最長距離が1870m。落ち着いて勝負所を迎えられるか?
昨年の無念を晴らしたいのはチーチーキング。銀の鞍賞の勝ちっぷりからどれだけの馬になるかと期待され、南国優駿・荒鷲賞の二冠を勝ち取ったが、古馬となった今年は不本意な成績に甘んじた。体質がしっかりしてくればその末脚の威力がものを言うはず。ここは勝ち負けもそうだが内容も求められる1戦だ。
TR3着のスマノタカラがどこまでやれるか。ここに向けてのじっくり調整は予定通りとの事。切れ味が身上なだけにそれほど人気を集めないであろう今回は無欲の一発があるかどうか。スマノヒット産駒はこのレースまだ勝った事が無い。スマノガッサン共々この辺りも注目だ。
アローパッションは2001年1月から2月にかけて福山大賞典と福山マイラーズカップを共に2着と活躍している。高知での2戦はいずれも5着とまだ復調途上だが、実績から言って好走してもおかしくない存在だ。
2400mの長丁場。今年は波乱となるのかそれとも順当に収まるのか…。年末年始のグランプリ競走にご期待ください。

